屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
案内されたのは高層階にあるレストランだった。
窓の向こうには宝石を散りばめたような夜景が広がり、街の灯りがどこまでも続いていて、まるで映画のワンシーンの中へ迷い込んだような気分になる。
「綺麗……」
「気に入ったか」
「……はい」
「それなら良かった。いつもの食事の礼だ」
これほど凄いお礼をしてもらえるほど、たいしたことはしていないんだけど。
こんな場所へ来るのは初めてだった。
けれど、不思議と緊張よりも嬉しさの方が大きい。こんなのまるで本当の恋人同士みたいだから。
もちろん、家で過ごす時間は好きだし、庭でお茶を飲むだけでも幸せだと思う。
それでも、こうして清正さんと並んで外の世界を歩けば、見慣れない景色も高級レストランも特別な場所へ変わる。
窓ガラスに映る自分の顔がすごく幸せそうに見えて、私は照れ隠しのように視線を夜景へ逃がしながら、もうどれだけ好きなんだろうと恥ずかしく思った。