屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
家へ帰り着く頃にはアルコールが回ってきていて、私は少しふわふわした気分のまま浴室へ向かい、危なっかしい足取りでシャワーを浴びると、髪を乾かして部屋着に着替えながら何度も欠伸を漏らしていた。
それでも眠る前にどうしても伝えたいことがあった私は、リビングで仕事用のタブレットを確認していた清正さんのところまで歩いていき、その隣へちょこんと腰を下ろす。
「あのね、清正さん」
呼びかけると、清正さんは手を止めて私の方へ視線を向けた。
その眼差しが優しくて、私はなんだか嬉しくなる。
「今日はありがとうございました」
「礼を言われる話じゃない。俺の依頼のためだ」
「そんなことありません。楽しかったし、おいしかったし……幸せでした」
「そうか」
「はい!」
私が力いっぱい頷くと、清正さんは小さく笑った。