屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
最近になって気づいたけれど、この人は笑うと少しだけ年相応に見える。
普段は社長として隙がなくて近寄りがたいのに……。
「本当のデートみたいでした……」
そこまで言ったところで、急に瞼が重くなった。
安心できる場所。隣には好きな人。
そんな状況に気が緩んだのか、意識がふわりと遠のいていく。
「おい。夏音?」
どこか遠くで声が聞こえ、肩を揺すられたような気もする。
けれど、それに返事をする前に私の意識は徐々に途切れかけていた。
「……本当のデート、か」
苦笑交じりにそう呟く声が聞こえる。そしてまるで壊れ物でも扱うような慎重さで私を抱き上げたのが分かった。