屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました

「いつも忙しく働いているので、もう少し休んでほしいなとは思っています。休日も仕事のことばかり考えていますし」
「それは昔からなんです。私より仕事人間でしてね」
「やっぱりそうなんですね」

 私が苦笑すると、会長も小さく笑った。

「清正は昔から賢い子でした。周りに自分が何を求められているのかきちんと分かって、その通りに行動するような……。朝霧家の誰より、朝霧の血を持つことの重さを知っている子です」

 確かに、朝霧家の血縁であるのは彼にとって当たり前で、重い事実だろう。

 でも、彼はそこから逃げない。愚痴もこぼさない。原口部長の件だって、自分が悪役になることも全く厭わなかった。きっとそれもすべて朝霧の会社やそこで働く社員のためだ。
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