屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
私は思わず固まった。
そんなの無理に決まっている。だって私たちは契約結婚なのだから。
そう心の中で叫んだのに――。
「ええ。できるだけ早く顔をお見せしたいと思っています」
「なっ……!」
思わず声にならない声が漏れ、顔が一気に熱くなる。
冗談だろうと思って隣を見る。
けれど清正さんは、本気でそう考えているように見える真面目な表情で会長を見つめていた。
――どうして? 契約結婚のはずなのに。
そう思うのに、なぜかその言葉を聞いた瞬間だけ、少しだけそんな未来を想像した自分がいた。