屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
想像が当たった……。
清正さんは玲子さんに会いに来ていたのだ。
玲子さんは綺麗にセットした髪を揺らしながら何かを話していて、その表情は驚くほど楽しそうだった。
清正さんも真剣に話を聞いている。
気付けば美穂ちゃんが心配そうに私を見ていた。
何でもないふりをしなければ……。そう思うのにうまく笑えない。
その時だった。
「清正!」
健太くんが大きな声で手を振った。
「ちょっと健太くん……!」
止める間もなかった。清正さんと玲子さんが同時にこちらを見る。
清正さんは怒った様子はなかったが、一方で玲子さんは、驚いたように目を見開いて怒った形相で立ち上がった。
「何してるの! 今日も邪魔しに来たの!?」
「ま、まさか……。すみません、子どもたちと散歩でこのあたりに……」
玲子さんの視線が私を上から下までゆっくりと眺める。
「相変わらずそんな格好で……まぁ、一般人だから仕方ないわね」
私は思わず自分の服を見る。
子どもたちとの休日だから、いつものTシャツとジーンズ。土日はいつもこうだ。
それに対して玲子さんは洗練されたワンピース姿で、清正さんと並ぶとまるで雑誌から抜け出たみたいだ。
二人との差を突き付けられたような気がして、私は無意識に視線を落とした。