屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました

 けれど、そんな時間は半年ほどしか続かなかった。
 ある日突然、両親から六年生から大学までの長期の海外留学が決まったと告げられたのだ。

 もちろん俺の意思なんて関係なかった。

 朝霧家の将来を担うために必要だから。ただそれだけだった。
 拒否も許されず、準備は勝手に進められ、気づけば俺は日本を離れることになっていた。

 俺は朝霧家を継ぐために生まれた。

 何か他に興味が出ても、それはこの朝霧の血が許してくれない。留学も自分で選べない。朝霧の人間は家のために生きる。
 最初から分かっていたことだ。だから、それ以外は切り捨ててきた。すべて俺にとっては必要のないものだったから……。

 そう、すべてだ。

 俺は何もできないまま、その陽だまりのような場所を失った。
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