屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
 そんな日々の中で、開発予定地区についてはさらに徹底的に調べ直していた。
 そもそもなぜあの屋敷の権利が九条グループの手へ渡ったのか、その経緯についても洗い直し始めていた。

 しかし、調べれば調べるほど不自然な点が浮かび上がり、玲子の不穏な動きも見えてくる。
 俺は情報を得る目的もあって、必要な人間に接触し始めた。そのうちの一人が玲子だ。

 もちろん夏音に余計な心配をかけるつもりはなかったし、あくまで必要な接触に過ぎなかったのだが、その頃の俺はまだ気づいていなかった。
 玲子へ近づくという行動が、思った以上に夏音を不安にさせるのだと。

 そしてそれくらい、彼女が俺を好きになってくれていたということを……。
 だから、夏音が屋敷を出て行くと言い出したとき、俺は本気で慌てたし、絶対に逃したくなかった。

「君はどうやっても俺から手放してやれない。……俺は君が好きなんだ」

 そうして俺は、結局どうしも抑えきれず、俺の気持ちを彼女に伝えていた。

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