屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
思いもよらない話に、私は瞬きを繰り返しながら彼を見つめ返した。今まで玲子さんと会っていた理由が少しずつ別の形に見え始める。
「そ、そうだったんですか……でも、どうして」
「俺は君が好きだからだと言っただろう」
まっすぐに届くような声。嬉しいのに、戸惑いが勝つ。
「……なに言ってるんですか」
「本当の気持ちだ」
そう言って微笑む清正さんの表情は、長い間胸に抱えていた想いをようやく口にできた顔に見えた。
「夏音が好きだから、君の大事なこの屋敷をきちんと君の元へ返したかったんだ。そうでないと、また同じことが起きるかもしれないしな。だからまずは俺が入手した」
「どうしてそこまで……」
「俺にとっても、ここは大切な場所だったからだ」
大事な場所? その言葉に私は首を傾げる。
清正さんは懐かしそうに庭の方へ視線を向け、少しだけ目を細めた。