屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
私はもぞもぞと起き上がり、枕元に置いていたスマホを手に取った。暗い部屋の中で画面の光がぼんやり顔を照らし、検索画面を開く。
そして少し迷ったあと、私は真剣な顔で文字を打ち込んだ。
【好きになってもらう アプローチ方法】
「……うん、こういうのでいいよね」
誰に言い訳するわけでもないのに呟きながら、決定キーを押す。
すると、恋愛コラムやら恋愛心理学やら、怪しいサイトやらがずらりと並んだ。
「うわぁ……」
普段あまり見ない世界だが、それでも私は真面目に読み進める。その中の二つに目が留まった。
【相手の好きなものを知る】【相手の好物を作る】
好物か……。やっぱりこれだよね。
食事は日曜の夜だけ。しかもあの人、何を出しても淡々と食べそうだし、『美味しい』とか『まずい』とか言わなそう。いや、『まずい』は言うかもな。
でも、胃袋を掴むって恋愛の基本ってよく言うし。日曜が勝負か……。
私はスマホを胸に抱えながら、まずは社長の好物を調べようと心に決め、ゆっくり目を閉じた。