屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
 その言葉にカッとなった。

 どうしてそう簡単に人の人生を変えようとするのか。そういう、人をコマのように動かそうとするところが、彼の嫌いなところだ。
 仕事については辞めたいなんて思ったことはない。

「仕事を辞めるなんて考えたことありません! だって、契約が終了して離婚した先の人生の方がずっと長いじゃないですか」

 私が言うなり、社長が眉を不機嫌に動かした。
 一瞬ドキリとして、小さな声で続ける。

「だってそうでしょう。社長も私も、この生活を一生続けるなんて不健全ですよ……」

 次の瞬間、ふいに腕を掴まれ、そのまま引き寄せられたかと思うと、気づけば朝霧社長の顔が目の前にあった。
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