屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
どうしよう。ものすごく嬉しい。ただ一言褒められただけなのに、頑張って作ってよかったと思えるくらい嬉しい。
その上、ほんの少しだけ笑った……ような顔まで見せられたせいで、顔が熱くなるのを止められなかった。
――って、違う。
そこで私ははっと我に返る。
今日は社長をキュンとさせる日だったはずだ。
とにかくおいしいと言っているのだから、社長にだって少しくらいは効いているはず。
そう思って期待を込めて向かいを見る。
しかし社長はすでに真顔へ戻り、何事もなかったかのように黙々とビーフシチューを食べ続けていた。
……うん。感情が全く読めない。
やっぱりこの人、キュンとする機能自体が備わってないのでは?