屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました
 次の日の朝。
 耳元で鳴り響く目覚ましのアラームの音で目を覚ました私は、重たいまぶたを何とか開きながらゆっくりと身を起こした。

「いたっ……」

 ずきりと鈍い痛みを感じながら額を押さえ、昨夜の出来事を思い出そうとするのだが、記憶は途中から綺麗に途切れている。
 私は首を傾げながら周囲へ視線を向けた。

 そして次の瞬間、完全に目が覚めた。

「……え?」

 見慣れない天井。見慣れない家具。見慣れないカーテン。
 ここ、どこ?

 私は反射的に周囲を見回したあと、ゆっくりと記憶を辿る。
 この部屋……以前、ゲストルームとして使っていた部屋だ。

 でも今は――。

「社長の部屋……」

 口に出した瞬間、背筋を電流が走り抜けた。
 いやいやいや。待って。ちょっと待って。

 私は勢いよく視線を落とす。
 自分がいるのはどう見てもベッドの上。しかも毛布にくるまって寝ていた。

「えぇっ……!?」

 思わず叫びながら慌てて辺りを見回すが、部屋の中に社長の姿はない。
 けれど、それで安心していいのかどうかも分からず、私はさらに慌てて自分の身体を確認するように、毛布を跳ね除けた。
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