屋敷を守るための契約結婚だったのに、気づけば冷徹社長に囲い込まれていました

「う、うん……服はそのまま……」

 昨日のまま、ボタンも外れていない。身体にも特に違和感はない。
 私はようやく息を吐いた。

 しかし、安心したのもつかの間。次は自分の失敗が身に染みる。
 よりによって社長の前で寝落ちしたということになるからだ。

 しかも記憶がない。まさかとは思うが、暴言など吐いていないだろうか。
 私はふと、サイドテーブルの上に置かれた紙に気が付いた。

 そこには綺麗な筆跡で短い一文書かれていた。

【遅刻するなよ】

 たったそれだけ。
 好きにならせるどころか、呆れられているだろう。私は頭を抱えてベッドの上に突っ伏した。
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