こんな私を好きになって、くれますか?
第3章:前髪の裏側のloveレター
「……やっぱり、私なんて可愛くないよね」
鏡に向かって、前髪で目を隠しながら呟く私——橘凛。
一重でキツく見える目。笑っても目が細くなるだけで、周りの女の子みたいにぱっちりした可愛い笑顔なんて作れない。
「そんなことねぇよ。お前のその目、すごく綺麗だろ」
教室の窓際、教科書を片付けながらそう言ったのは、いつも穏やかなクラスメイトの湊だった。
「嘘……。みんな、私のこと怖いって言うのに」
「嘘じゃねぇよ。お前が真剣にノート取ってるときも、ちょっと嬉しそうに本読んでるときも、その目はすごく表情豊かで……俺は、すごく好きだけどな」
湊のまっすぐな瞳には、私の顔がちゃんと映っていた。
怖がられると思っていた自分の目。
でも、この子はちゃんと私の「本当の表情」を見てくれていたんだ。
「……ありがと、湊」
私は思い切って前髪をふっと上げて、自分史上最高に柔らかく、精一杯の笑みを向けてみた。
湊は少しだけ耳を赤くして、「……やっぱ、それ反則」と目をそらした。
もう、アイプチで隠す必要なんてないんだって、そう思えた。