雪恋
息が上がって、苦しくなっていく。
まるで体中の酸素を全て、夜の空に吸い込まれていくような。
そんな気がした。
そして極めつけは、放課後。
祖父から言われたんだ。
「100回目で勝てなかった罰として、20キロ走ってこい」と。
だから、こうして今走っている。
片道往復10キロ。
正気の沙汰じゃない。
春の雪解はまだ、溶け切っていないようで。
ズルッと世界が横転する。
はっと息を呑んだ。
だが手をついたときには、じんじんと足首に痛みが走っていた。
「っ……たぁ」
足首から血が流れ出ていて。
悲しい事に足をくじいてしまっていたみたい。