雪恋
あれ?
……雪?
ふわりと、4月なのに季節外れの雪。
「僕はね……楽しかったのに剣道もう出来なくなっちゃったんだよね」
深々と掌に雪が落ちて溶けていく。
目の前に現れ出された、秘密の宝箱を目の前でほらと出されて。
それを疑問に思った私は、ふと立ち上がる。
「楽しいですか?」
「……?
どうして?」
「からかって、楽しいですか?」
さっきから、何なのだろう。
私の内面を引き出そうとする、会話は。
小癪な手を見せつけられているみたい。
「赤の他人の過去の話なんて、どうだっていいじゃないですか?
何で、あった人に自分の話をしないといけないんです?
貴方が過去の話をしようとしてるのってズルいですよ!!
私の話を聞き出そうとしてるのバレバレですって!!」
「やっぱりーーそうか」
と、グレーの男の人は私をかがみ込んで言った。
「君、四宮剣さんーーーから、虐待を受けてるんだね」