愛してるの期限が切れる前に
 ただし、背景や服装までは映っていないので、これがいつのものかはわからなかった。今とさほど変わっていない雰囲気からして、今年取られたものだろう。
「なに、これ。こんなのいつ撮られてたの?」
「視線もカメラを向いてないし、ももが知らないのなら、盗撮だな。すぐ相手に削除するよう伝える」
 そう言うなり、玲桜は百花の携帯を操作し始めた。
「ももは、この写真で気づいたことはある? いつ、どこに行ったときのものだとかさ」
「写真だけじゃなんとも。今年のものだろうというくらいで。日付はいつになってったっけ?」
「一昨日だよ」
 言われても、ぱっと思い浮かぶ出来事はない。
 平日は家と保育園との行き来くらいしかないからだ。
 保育園での動画や写真の撮影は禁止されているし、仮に保護者の誰かが花を撮ろうとしていたなら、誰かしらの目に止まっているはずだ。今は個人情報の管理には神経質な時代だ。同じ子を持つ親なら、我が子が自分の知らぬ間に何千、何万の人の目に晒される恐怖はわかるはず。
 きっと投稿者は、物珍しさから花の写真をネットに上げたのだろう。レオと同じモルフォ蝶色の瞳をしているから、と言うだけで。
 投稿のハートマークの横には信じられない数がついていた。たった三日でこれだけの人が花を見た現実には恐怖しかない。
 まだ花は自分の身を守る術を持っていない。
 ある程度大人になれば、サングラスをかけたりカラーコンタクトで自衛することもできるが、花はまだ三歳だ。
「はーちゃんは、俺の幼い頃にそっくりなんだって。これを見つけた者が驚いていたよ。お前がいるってさ」
「その人って――」
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