一緒にいたくて男装執事になったのに~嫉妬と溺愛とまりません~【隣国編】
「ギル様しか可愛いだなんて言ってくれる人はいないので大丈夫ですっ!なんたって私はどこからどう見ても完璧な男の子ですからっ!」
私は茶髪のショートカットを揺らして、ね?と自信満々に笑った。
そんな私を見てギル様は、溜息をつき額に手を当て何かをつぶやく。
「はぁ……俺の婚約者は無自覚すぎだろう……あんなにも屋敷の者たちをたらしこんだというのに……連れてきたのはやはり間違いだったか……?」
何を言っているのか聞き取れなかった私はギル様を見つめる。
私の視線に気づいたギル様がチラリとこちらを見て目が合った。
「ギル様っ!隣国楽しみですねっ!」
「……あぁ、そうだな」
にっこりと笑うと、ギル様は困ったような顔をしつつも私に笑顔を返してくれたのだった。
───隣国メルティアーナまであと数日。