一緒にいたくて男装執事になったのに~嫉妬と溺愛とまりません~【隣国編】☆編集中です
EP:2☆船上の花火!
あれから、ギル様と過ごす船の旅はあっという間に過ぎていき、気がつけば今夜が船で過ごす最後の夜になっていた。
ギル様と一緒に夕飯を済ませると、一人一人に割り振られた小さな個室の部屋へと戻った。
扉を閉めるなり、窮屈だったカツラをパサッと脱ぎ捨てる。
「ふは〜っ!開放感〜っ!!」
隠されていた淡いピンクの髪の毛がハラハラと腰まで一気にこぼれ落ち、ふっと頭が軽くなる。
続けて執事服とサラシも脱ぎ捨てると、一番楽ちんでお気に入りのこの世界での下着──シュミーズ姿になる。
全ての窮屈さから開放された私は、勢いよくベッドへと寝転がった。
「はぁぁ〜!今日も楽しかったぁ〜!!明日はいよいよメルティアーナだっ!うふふっ!楽しみすぎるよぉ〜!!」
一日の疲労感と、込み上げてくる明日への期待に胸を躍らせて、枕をぎゅっと握りしめるとベッドの上で足をバタバタとはしゃがせる。
メルティアーナはどんな国なんだろうと、いろんな妄想を膨らませていた、その時だった。
──ドーーーン!!!
外から聞こえる懐かしい音が、船中に響き渡った。
その音に、枕に埋めていた顔をガバッと持ち上げると、考えるよりも先に体が動き出す。
……もしかして!もしかして!!
逸る気持ちを抑えてベッドから飛び起きた私は、バタバタと扉に向かった。
廊下へ飛び出そうと勢いよくドアノブに手をかけた瞬間──ふと、目に入る自分の姿。
立ち止まる私は、一瞬だけ冷静な思考が脳裏をよぎる。
……あ、この格好はさすがにまずい?
けれど、今すぐにでも音の正体を確かめたくて、私の胸はウズウズがとまらない。
結局悩んだのはほんの一瞬で、すぐにたどり着いた答えは──
「……まぁ、いっか!夜だし、そんなに人なんていない、いなーい!!」