むすび洋菓子店 ―人との縁と縁をつなぐ―
店と店を結ぶ縁
それから、るいは毎日のように「むすび洋菓子店」に顔を出すようになった。
カラン――。
「いらっしゃいませ……って、るいさん」
「こんにちは、結月ちゃん」
もう、すっかり見慣れた光景だった。
「今日もチーズケーキ?」
「うん。今日もそれ」
るいは笑いながら、いつもの席に座る。
「はい、どうぞ」
結月がチーズケーキを運ぶ。
「ありがとう」
るいはフォークで一口すくう。
「いただきます」
ぱくっ。
「……うん。美味しい」
その笑顔を見るたび、結月も嬉しくなる。
「毎日食べても飽きない?」
「飽きないよ」
「本当に?」
「本当。結月ちゃんのチーズケーキ、好きだから」
そう言われると、結月は少し照れてしまう。
「……ありがとう」
るいはケーキを食べながら、店内を見渡した。
焼き菓子やケーキが並ぶ店内。
窓からは湯布院の街並みが見える。
「このお店、落ち着くね」
「そう?」
「うん。なんか、人との縁が集まる場所って感じがする」
その言葉に、結月は看板を見る。
むすび洋菓子店
その下に書かれた、
――人との縁と縁をつなぐ
という言葉。
「ねえ、るいさん」
「ん?」
「一つ、お願いがあるんだけど……」
「何?」
結月は少し考えてから口を開いた。
「るいさんの雑貨、うちのお店の一角に置いてみない?」
「……え?」
るいが驚いた顔をする。
「私の雑貨を?」
「うん」
「どうして?」
「るいさんの雑貨、可愛いし……ケーキを買いに来た人にも見てもらえたらいいなって」
結月は店の一角を指差した。
「ここ、少し空いてるでしょう?」
「うん」
「ここを雑貨の場所にして」
るいは何も言わず、その場所を見つめた。
「お菓子と雑貨って、意外と合うと思うんだ」
「……結月ちゃん」
「それに」
結月は笑った。
「せっかくなら、るいさんのお店と私のお店も、何かで繋がったら素敵だなって」
るいの目が、少し潤んだ。
「……嬉しい」
「本当?」
「うん」
るいは笑った。
「私も、結月ちゃんのお店と一緒に何かできたらいいなって思ってた」
「じゃあ、決まりだね」
「うん!」
二人で笑う。
それから数日後。
店の一角に、小さな雑貨コーナーができた。
るいが作ったアクセサリー。
可愛い小物。
そして、焼き菓子の隣には、小さな値札が並んだ。
ケーキを買いに来たお客さんが足を止める。
「わあ、可愛い」
「これ、雑貨屋さんのものですか?」
「はい。湯布院の雑貨屋さんをしている、るいさんの作品なんですよ」
結月が嬉しそうに説明する。
そして、その隣にはいつものチーズケーキ。
甘いお菓子と、小さな雑貨。
二つの店が、一つの場所で出会った。
るいはその様子を見ながら、結月に笑いかける。
「本当に、縁って不思議だね」
「うん」
結月も笑う。
「むすび洋菓子店だからね」
人と人。
お菓子と雑貨。
過去と未来。
いろんな縁が、この小さなお店で結ばれていく。
そして結月自身も、少しずつ気づき始めていた。
――私は今、幸せかもしれない。
チーズケーキを美味しそうに食べる、るいの横顔を見ながら。
結月は、静かに微笑んだ。
カラン――。
「いらっしゃいませ……って、るいさん」
「こんにちは、結月ちゃん」
もう、すっかり見慣れた光景だった。
「今日もチーズケーキ?」
「うん。今日もそれ」
るいは笑いながら、いつもの席に座る。
「はい、どうぞ」
結月がチーズケーキを運ぶ。
「ありがとう」
るいはフォークで一口すくう。
「いただきます」
ぱくっ。
「……うん。美味しい」
その笑顔を見るたび、結月も嬉しくなる。
「毎日食べても飽きない?」
「飽きないよ」
「本当に?」
「本当。結月ちゃんのチーズケーキ、好きだから」
そう言われると、結月は少し照れてしまう。
「……ありがとう」
るいはケーキを食べながら、店内を見渡した。
焼き菓子やケーキが並ぶ店内。
窓からは湯布院の街並みが見える。
「このお店、落ち着くね」
「そう?」
「うん。なんか、人との縁が集まる場所って感じがする」
その言葉に、結月は看板を見る。
むすび洋菓子店
その下に書かれた、
――人との縁と縁をつなぐ
という言葉。
「ねえ、るいさん」
「ん?」
「一つ、お願いがあるんだけど……」
「何?」
結月は少し考えてから口を開いた。
「るいさんの雑貨、うちのお店の一角に置いてみない?」
「……え?」
るいが驚いた顔をする。
「私の雑貨を?」
「うん」
「どうして?」
「るいさんの雑貨、可愛いし……ケーキを買いに来た人にも見てもらえたらいいなって」
結月は店の一角を指差した。
「ここ、少し空いてるでしょう?」
「うん」
「ここを雑貨の場所にして」
るいは何も言わず、その場所を見つめた。
「お菓子と雑貨って、意外と合うと思うんだ」
「……結月ちゃん」
「それに」
結月は笑った。
「せっかくなら、るいさんのお店と私のお店も、何かで繋がったら素敵だなって」
るいの目が、少し潤んだ。
「……嬉しい」
「本当?」
「うん」
るいは笑った。
「私も、結月ちゃんのお店と一緒に何かできたらいいなって思ってた」
「じゃあ、決まりだね」
「うん!」
二人で笑う。
それから数日後。
店の一角に、小さな雑貨コーナーができた。
るいが作ったアクセサリー。
可愛い小物。
そして、焼き菓子の隣には、小さな値札が並んだ。
ケーキを買いに来たお客さんが足を止める。
「わあ、可愛い」
「これ、雑貨屋さんのものですか?」
「はい。湯布院の雑貨屋さんをしている、るいさんの作品なんですよ」
結月が嬉しそうに説明する。
そして、その隣にはいつものチーズケーキ。
甘いお菓子と、小さな雑貨。
二つの店が、一つの場所で出会った。
るいはその様子を見ながら、結月に笑いかける。
「本当に、縁って不思議だね」
「うん」
結月も笑う。
「むすび洋菓子店だからね」
人と人。
お菓子と雑貨。
過去と未来。
いろんな縁が、この小さなお店で結ばれていく。
そして結月自身も、少しずつ気づき始めていた。
――私は今、幸せかもしれない。
チーズケーキを美味しそうに食べる、るいの横顔を見ながら。
結月は、静かに微笑んだ。