71歳の恋愛小説家
加奈子は人付き合いもよく銀行の人とも上手に付き合った。

銀行はいらない時には借りてくれ借りてくれと言ってくるが、本当に必要な時には貸してくれないもんだと、教えてくれた人がいた。

”なんでやねん”と憤ったものだが、そう言う物らしい。

そう言えば担当者も支店長も長くて二年くらいの付き合いになる。

前の担当者と話の中で合意していたとて、契約書みたいなものがなくてはその話は通らないという事だろう。

だから、あまり銀行を頼りにするのはよくないと加奈子は肝に銘じている。

投資や保険を上手く利用して、個人の名義でも会社の名義でもお金を貯めておいた。

そうして安い時に土地を買っておいてそこに賃貸を立てたのだ。

駐車場に貸している所一ケ所、木造の三階建てのアパートが一棟と五件がメゾネットになっている賃貸が一棟あった。

不動産が増えて行く度に夫は加奈子の手腕に、目をまわしていたが仕事を頑張らないとなあと言ってモチベーションを上げていた。

そんな人だった。

決して加奈子にやりすぎだとかやめておけとか文句を言ったことがなかった。

夫はお金の流れの全容は知らなかったが、契約書類などに加奈子に言われるがままサインしてくれた。

でも、その賃貸の収入で夫が働く必要はないくらいのものがあったのだ。

全て加奈子と夫の共有名義にしてある。

収入は駐車場が一番低いが場所は繁華街を少し外れたところにある土地で、商業ビルを建ててもいい場所にある。

後の二つの賃貸は名古屋の郊外で、駅近で住宅地としては人気の場所だ。

まだ、ローンが残っているが、それを差し引いても月二十万近くそれぞれ収入がある。

賃貸の二つの物件は加奈子と夫それぞれにかなりの収入があったのだ。

駐車場はローンはないが収入は二人で分けると一人九万位だ。

合計すると月にそれぞれ五十万近くの収入になる。

それに会社からの給料と年金を合わせると、各自の年収は1000万円以上にはなった。

夫の分が亡くなったとしても加奈子は何も困らない。
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