タイプじゃないと言われたので、好きな子ができるまで恋人にしてもらいました。
 ◇

 放課後。
 自分の最寄りより、ひとつ前の駅で降りる。

 髪が濡れて広がったらイヤだから、傘を心もち前に傾けて。
 雨の中をひとり、ゆっくりと歩いた。

 見慣れた一軒家の門をくぐって、インターホンを押す。

 奥のほうで、ワンちゃんの声がした。

『はあい』

「……藤沢(ふじさわ)です!」

『今、開けるね〜』

 軽い足音のあとで顔を覗かせたのは、彼の四つ上のお姉さん。
 柔らかく微笑みかけられると、何度お邪魔していても少し照れてしまう。

慎之介(しんのすけ)、まだ帰ってないみたいだけど」

 玄関にシューズがないことを確認し、言う。

「上がって待ってて?」

「ありがとうございます! お邪魔します……っ」

 スカートの裾についた雨粒をはらって、玄関に踏み入れさせてもらう。
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