その青は廻る
「翔太とは……、連絡、してるのか」その声に、ふと視線を戻した。彼は煙草を手にして、火を点けると、煙を吐きながら頬杖をついた。そして、左手にしたジッポの蓋を軽く鳴らしていた。
「いえ、まだ、なにも……」そう答えると、長い息を吐いてから、苛立ったような素振りで、「あいつから何か聞いても、冗談で流しておけ」と嫌そうな顔で鼻息を漏らした。まだ、あの行き違いが続いているのかと思いながら、短い返事をして口を結んだ。
すると、彼はふと息を吐いてから、「ただ……」と言って、僅かに視線を下げた。その目は、どこか遠くのほうを見つめているようだった。再びどこかへ視線を上げると、「時々、話し相手をしてほしい……」そう静かに言った。
「はい……」と返したけれど、物憂げな顔に見えて、それ以上は何も言えなかった。けれど、二人の関係は思った以上に深いようだった。暫く彼の様子を眺めながら、二本目の煙草を手にしたところで口を開いた。
「幼馴染……ですか……?」
「いや……、昔からの知り合いだ」ふと手を止めたあとで、少し笑みを浮かべた。
「いつ頃、ですか……?」浮かんだ疑問を、そのまま口にしていた。
「俺が飲み歩いてた時期……、あいつ、稔の店で」彼はそう言いながら、煙草を持った手の親指で、口元辺りに触れていた。そして、「店の前で他の客と揉めて、巻き込まれた」とぼやいた。
思わず顔をしかめると、彼はこちらを見て、軽く笑った。そこで、再び頬杖をついて、口を開く。
「それ以来、事あるごとに、俺のとこに来て、周りから疑われたこともある」流暢に語る声は、穏やかで優しく聞こえる。それを耳にしながら、「あり得ません……」と吹き出しそうになって、内心では噂した人を『殴ってしまえばいいのに』とからかっていた。
「実際のところ、豆田が俺に惚れてる可能性はあるかもしれないけど、それを止める権利は誰にもない」煙草を消して、腕を組んだ後で、難しい顔をして息を吐いた。ただならぬ気配に唾を飲み込んで、恐る恐る様子を窺う。
「二人は、どういう、ご関係、で……?」おそらく出だしで声がひっくり返っていた。
すると、彼は口元を少し緩ませたあとで、「冗談だ」とこちらをちらちらと見ながら、笑いを堪えていた。思わず、「冗談かい……」と口にすると、「俺の才能に惚れてるかもしれないけどな」と何食わぬ顔をする。
「自分で言うんかい……」とツッコミを入れたあとで、『よく見つけたね』と、あの日の言葉が脳裏に聞こえた。
そこで、視線を上げると、すぐにぶつかった。
その視線は、とても真っ直ぐで、まるで弓を引いてるかのようだった。
「いえ、まだ、なにも……」そう答えると、長い息を吐いてから、苛立ったような素振りで、「あいつから何か聞いても、冗談で流しておけ」と嫌そうな顔で鼻息を漏らした。まだ、あの行き違いが続いているのかと思いながら、短い返事をして口を結んだ。
すると、彼はふと息を吐いてから、「ただ……」と言って、僅かに視線を下げた。その目は、どこか遠くのほうを見つめているようだった。再びどこかへ視線を上げると、「時々、話し相手をしてほしい……」そう静かに言った。
「はい……」と返したけれど、物憂げな顔に見えて、それ以上は何も言えなかった。けれど、二人の関係は思った以上に深いようだった。暫く彼の様子を眺めながら、二本目の煙草を手にしたところで口を開いた。
「幼馴染……ですか……?」
「いや……、昔からの知り合いだ」ふと手を止めたあとで、少し笑みを浮かべた。
「いつ頃、ですか……?」浮かんだ疑問を、そのまま口にしていた。
「俺が飲み歩いてた時期……、あいつ、稔の店で」彼はそう言いながら、煙草を持った手の親指で、口元辺りに触れていた。そして、「店の前で他の客と揉めて、巻き込まれた」とぼやいた。
思わず顔をしかめると、彼はこちらを見て、軽く笑った。そこで、再び頬杖をついて、口を開く。
「それ以来、事あるごとに、俺のとこに来て、周りから疑われたこともある」流暢に語る声は、穏やかで優しく聞こえる。それを耳にしながら、「あり得ません……」と吹き出しそうになって、内心では噂した人を『殴ってしまえばいいのに』とからかっていた。
「実際のところ、豆田が俺に惚れてる可能性はあるかもしれないけど、それを止める権利は誰にもない」煙草を消して、腕を組んだ後で、難しい顔をして息を吐いた。ただならぬ気配に唾を飲み込んで、恐る恐る様子を窺う。
「二人は、どういう、ご関係、で……?」おそらく出だしで声がひっくり返っていた。
すると、彼は口元を少し緩ませたあとで、「冗談だ」とこちらをちらちらと見ながら、笑いを堪えていた。思わず、「冗談かい……」と口にすると、「俺の才能に惚れてるかもしれないけどな」と何食わぬ顔をする。
「自分で言うんかい……」とツッコミを入れたあとで、『よく見つけたね』と、あの日の言葉が脳裏に聞こえた。
そこで、視線を上げると、すぐにぶつかった。
その視線は、とても真っ直ぐで、まるで弓を引いてるかのようだった。