別府の湯けむり、君と50年の未来
昔の遥斗へ
雪が事務員として働き始めてから、数日が経った。
「遥斗、この書類、今日中に確認してね」
「分かった」
「この会議の資料もお願い」
「ああ」
以前の遥斗とは、明らかに違っていた。
仕事中にスマートフォンを見ることもなくなり、休憩も必要な分だけ。
社員から頼まれた仕事にはすぐに取りかかり、会議では真剣に意見を出す。
「社長、この資料お願いします」
「今確認する」
「はい!」
佐々木は、その様子を見ながら嬉しそうに笑った。
「社長、昔の働きぶりに戻りましたね」
「ああ。雪がいると、気が引き締まるからな」
「私が見てるから?」
「それもあるけど……」
遥斗は雪を見る。
「蒼生にも、ちゃんとした父親の姿を見せたいから」
雪は微笑んだ。
「それなら安心した」
そして遥斗は、昔のように仕事に集中するようになった。
会社のことを考え、社員のことを考え、家に帰れば雪と蒼生のことを考える。
佐々木はそんな遥斗を見ながら、ぽつりと言った。
「やっぱり社長には、雪さんが必要ですね」
「そうかもな」
遥斗は笑った。
雪が来たことで、会社には以前の活気が戻ってきた。
そして――。
遥斗はもう、仕事をサボって一時間も雪や蒼生の写真を眺めることはなくなった。
その代わり。
仕事を終えて家に帰れば、二人の写真を見ながら、
「今日も頑張ったな」
と、幸せそうに笑うのだった。
「遥斗、この書類、今日中に確認してね」
「分かった」
「この会議の資料もお願い」
「ああ」
以前の遥斗とは、明らかに違っていた。
仕事中にスマートフォンを見ることもなくなり、休憩も必要な分だけ。
社員から頼まれた仕事にはすぐに取りかかり、会議では真剣に意見を出す。
「社長、この資料お願いします」
「今確認する」
「はい!」
佐々木は、その様子を見ながら嬉しそうに笑った。
「社長、昔の働きぶりに戻りましたね」
「ああ。雪がいると、気が引き締まるからな」
「私が見てるから?」
「それもあるけど……」
遥斗は雪を見る。
「蒼生にも、ちゃんとした父親の姿を見せたいから」
雪は微笑んだ。
「それなら安心した」
そして遥斗は、昔のように仕事に集中するようになった。
会社のことを考え、社員のことを考え、家に帰れば雪と蒼生のことを考える。
佐々木はそんな遥斗を見ながら、ぽつりと言った。
「やっぱり社長には、雪さんが必要ですね」
「そうかもな」
遥斗は笑った。
雪が来たことで、会社には以前の活気が戻ってきた。
そして――。
遥斗はもう、仕事をサボって一時間も雪や蒼生の写真を眺めることはなくなった。
その代わり。
仕事を終えて家に帰れば、二人の写真を見ながら、
「今日も頑張ったな」
と、幸せそうに笑うのだった。