別府の湯けむり、君と50年の未来
彼氏です
五年ぶりに再会した雪と遥斗は、駅のホームで並んでいた。
「遥斗、家に行こうか」
「うん」
「お母さんがおるけん、紹介するね」
雪が嬉しそうに笑った。
ホームには、電車を待つ人がまばらにいる。
そのとき――。
「雪ちゃん!」
後ろから声がした。
振り返ると、同じ年代くらいの女性が笑顔でこちらへ歩いてくる。
「ひまちゃん!」
雪も笑顔で手を振った。
「久しぶり! 帰ってきてたんだね」
「うん。ちょっとね」
ひまちゃんは雪の隣にいる遥斗を見る。
「あれ? 隣の人……」
少し首を傾げる。
「もしかして、彼氏?」
遥斗は思わず雪を見た。
――どう答えるんだろう。
きっと、「幼馴染」って言うんじゃないか。
五年前まで、二人は幼馴染だった。
でも――。
雪は、少し照れながら笑った。
「うん。彼氏」
「……!」
遥斗は驚いて雪を見る。
「地元の別府から、私に会いに来てくれたんよ」
「えー! 別府から!?」
ひまちゃんは嬉しそうに二人を見る。
「雪ちゃん、めっちゃ幸せそう!」
「うん。ずっと会いたかったん」
雪は遥斗を見上げる。
遥斗も、嬉しそうに笑った。
「そっかぁ」
ひまちゃんは二人を見て、微笑んだ。
「じゃあ、私は邪魔しちゃいけないね」
「そんなことないよ」
「ふふっ。でも、幸せな時間にすみません」
ひまちゃんは遥斗にぺこっと頭を下げる。
「いえ、大丈夫です」
ちょうど電車がホームへ入ってきた。
「じゃあ、雪ちゃん。またね!」
「うん。またね、ひまちゃん!」
ひまちゃんは電車に乗り込み、二人に手を振った。
電車が動き出す。
雪も手を振り返す。
やがて電車はホームを離れていった。
「……雪」
「ん?」
「本当に彼氏って言ってくれたんだな」
「だって……本当やもん」
雪は少し恥ずかしそうに笑った。
「五年間待ってたんだよ?」
「俺も」
二人は顔を見合わせる。
そして、改札へ向かって歩き出した。
改札口を出て、踏切を渡る。
坂道をゆっくり上っていく。
その先に見えてきたのは――。
青い屋根の家。
「ここが私の家」
雪が立ち止まる。
「お母さん、いるかな」
遥斗は青い屋根を見上げた。
五年越しの約束。
その先にある、新しい未来が始まろうとしていた。
「遥斗、家に行こうか」
「うん」
「お母さんがおるけん、紹介するね」
雪が嬉しそうに笑った。
ホームには、電車を待つ人がまばらにいる。
そのとき――。
「雪ちゃん!」
後ろから声がした。
振り返ると、同じ年代くらいの女性が笑顔でこちらへ歩いてくる。
「ひまちゃん!」
雪も笑顔で手を振った。
「久しぶり! 帰ってきてたんだね」
「うん。ちょっとね」
ひまちゃんは雪の隣にいる遥斗を見る。
「あれ? 隣の人……」
少し首を傾げる。
「もしかして、彼氏?」
遥斗は思わず雪を見た。
――どう答えるんだろう。
きっと、「幼馴染」って言うんじゃないか。
五年前まで、二人は幼馴染だった。
でも――。
雪は、少し照れながら笑った。
「うん。彼氏」
「……!」
遥斗は驚いて雪を見る。
「地元の別府から、私に会いに来てくれたんよ」
「えー! 別府から!?」
ひまちゃんは嬉しそうに二人を見る。
「雪ちゃん、めっちゃ幸せそう!」
「うん。ずっと会いたかったん」
雪は遥斗を見上げる。
遥斗も、嬉しそうに笑った。
「そっかぁ」
ひまちゃんは二人を見て、微笑んだ。
「じゃあ、私は邪魔しちゃいけないね」
「そんなことないよ」
「ふふっ。でも、幸せな時間にすみません」
ひまちゃんは遥斗にぺこっと頭を下げる。
「いえ、大丈夫です」
ちょうど電車がホームへ入ってきた。
「じゃあ、雪ちゃん。またね!」
「うん。またね、ひまちゃん!」
ひまちゃんは電車に乗り込み、二人に手を振った。
電車が動き出す。
雪も手を振り返す。
やがて電車はホームを離れていった。
「……雪」
「ん?」
「本当に彼氏って言ってくれたんだな」
「だって……本当やもん」
雪は少し恥ずかしそうに笑った。
「五年間待ってたんだよ?」
「俺も」
二人は顔を見合わせる。
そして、改札へ向かって歩き出した。
改札口を出て、踏切を渡る。
坂道をゆっくり上っていく。
その先に見えてきたのは――。
青い屋根の家。
「ここが私の家」
雪が立ち止まる。
「お母さん、いるかな」
遥斗は青い屋根を見上げた。
五年越しの約束。
その先にある、新しい未来が始まろうとしていた。