あやかしと宇宙防衛隊
男性の腕の中には、意識を失った状態のイヅナがいた。男性は無表情のまま、何も答えない。ツヤは「だんまりかよ!!」と吐き捨て、イヅナを助け出すために地面に蹴る。

鬼という妖であるツヤは、力や脚力は人間と比にならない。妖ではなく人間である男性をすぐに制圧できる。ツヤはそう確信していた。

ツヤの拳が男性に当たりかけたその時、男性の姿がイヅナと共に一瞬にして消えた。ツヤの拳は空を切る。ツヤの足が地面についた。

「は?」

ツヤは辺りを見回す。まるで煙のように男性とイヅナは消えてしまった。ツヤの鼓動が早まる。

(どういうことだ?あいつは妖じゃねぇ。幻術の類ではないはずだ!)

男性のいた付近にツヤは目を向ける。すると、見覚えのある装置が落ちていることに気付いた。



同じ頃、ラニアケア宇宙防衛隊の一員であるスペードは、ハートと共に月都にある高校に来ていた。二人ともいつもの隊服ではなく、白を基調とした清楚な印象の制服を着用している。

(まさか、二十四歳になって制服着ることになるなんて……)
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