経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2
「駄目?」

 耳を噛んで囁いた。びくびくっとまた綾音の体が震える。凄く反応しているその体を持て余しながら綾音は必死に答えてくる。

「あ…駄目じゃ……」

「じゃあ、いい?」

「ひ……っ」

 首筋を舌で撫でたら綾音の小さな声が零れた。それを口を噤んで必死に耐えている。もっとその声が聞きたいと思ったけれど、耐えている綾音も悪くない。全部ゆっくり、じっくりと味わおう。少しも雑にせずに。

「ね。どっち?」

 笑いながら綾音を追い詰めた。綾音が逃げないと知っているからこそ、遊ぶように苛められる。そんな自由すら、信じられないほどに尊いと思う。

 待つことも諦めることも耐えることも全部、当たり前の様に自分と共にあった。それを辛いと思ったことがあったかどうかすら覚えていない。

 でも綾音だけは、手に入れてからは自制がきかない。振り回しても揶揄っても離れても愛しても、それを受け止めてくれることを確かめるだけで堪らない程の幸福感を感じる。優しくするだけじゃ見られない表情を見たくて、それすら取りこぼすのが悔しくて、我が儘に甘える自分を綾音は許してくれる。
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