経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2
 やがて全く分からなかったことが理解できるようになる。ぱちんぱちんとピースを嵌めるように、知識が綺麗に繋がって組み立てられていく。目の前の靄が晴れていく感覚に、自分達は確実に成長していると自覚する。これ程の実感は学生時代にも無かった。目的を与えられて自分で考えて形にする作業がこんなに難しく楽しい事だなんて。まるで、司の思考を一緒になぞっているかのような感覚に震えることもあった。

 勿論、司がそれよりももっと深く複雑な部分を見ているのは分かっている。それでも、ほんの僅かに垣間見たその世界は、彼らが抱えていた小さな嫉妬や劣等感を知的好奇心へ変えるには十分だった。もっと知りたい、もっと見たい、もっとできるようになりたいと彼等は貪欲に求めて働く。言い方を選ばなければ、社会人生活の中で一番大変で、一番充実した時間だった。

 そんな彼らの働きで、司の元には正確で質の良い情報がどんどん集まるようになった。それを繋げる司の仕事は楽になり、更に重くもなっていった。
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