経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2
 これは分析だけではなく連携も必要になる重い作業だ。だからIR部門による投資家情報の整理や、証券会社からの助言もあった。会社として動いている以上、司一人で全てを判断している訳ではない。周囲を巻き込まなければとてもやり切れるものではない。それでも、集まった情報を繋ぎ、最終的に誰と何を話すべきか、何を伝えるべきかという判断まで落とし込める人間は、まだ社内には司しかいなかった。

 この時に竹田は気付いた。株主総会の前に遅くまで残っていた司は、この準備をしていたのだ。そして自分に何も言わなかった理由も納得した。

 ここまで来て改めて思う。手足となって働くだなんて言い方すら烏滸がましい。試しに投資家の情報を見てはみたものの、何を見れば良いのかも分からなかった竹田は肩を落としてそう思った。

 自分達は確かに成長した。以前なら理解すらできなかった仕事を、今なら少しは想像できる。

 それでも司が立っている場所には届かない。司の負担を減らしたいと思っても、自分達が立っている場所からでは今はまだ背中に届かない距離にいる。その事実が悔しかった。
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