経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2

個別ミーティング3

「難しい質問が多かったですね」

 席に着いて司が言う。そう言われると少し救われる。CFOもそうだったのか、素直に弱音を吐いた。

「どこまで踏み込んでいいのか判断が難しい」

 その言葉に司は頷いた。竹田も同感だ。ミーティング中、CFOが言葉を探す度に投資家の視線が僅かに動くのを見ていた。その言葉が届いたのか、どう受け取られたのか、気になって仕方がない。

「開示できる範囲の判断ですよね」

 司も共感して頷く。

「でも、開示できないことを守りながら、必要な情報は渡せていました。量産が順調なことも、特許の意図も。少なくとも、伝えるべき情報は伝わっていたと思います」

「…そうか」

 次回に繋がる言葉がそれを肯定してくれる。だからこそまだまだやることがあると、折れることのないCFOは司に問いかけた。

「質問の意図はどう考えた?」

 それは竹田も気になっていた。そして司を二人で見ると、司は困った様に首を振る。

「正直、投資家が何を考えていたかまでは分かりません。意図は本人しか知らないですから」

「…そうか。そうだな」

 CFOは少し肩を落とした。竹田も納得はしつつ、これからを不安に思う。司なら何か自分達に見えないものが見えているのではないかと思っていた。けれど司の言う通り、心を読めないのに絶対は無理だ。

 このまま歩かなければならないのか。と思った二人に、それを踏まえて司は続けた。

「ただ、質問の構造から読み取れる範囲はあります。それを整理すれば次はもっと楽になります」
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