経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2
 そう言いかけた竹田の言葉が止まった。司の行動には理由がある。不要だからしない。だから疑問には思わなかった。けれど急な変化を不思議に思う。

 そして一つの仮説に行き着いた。これはもう、司の助けが必要がないくらいに会社が育った、という事か?

 確かに司がいなければどうしようもないという状況ではなくなったかもしれない。少なくともさっきの個別ミーティングはそう感じられた。だとしたら司はどう思っただろう? ここまで来る為に自分が必要だった。けれどここまで来た後も、自分が必要だと思える理由はあるのだろうか。そんな考えが一瞬だけ頭を過った。そしてその先を想像した竹田の顔色が悪くなる。もしかして…。

 あれだけ能力の高い人間だ。必要とされる場所はいくらでもある。もし、司がこの会社でやるべき事を終えたと感じ、離れることを考えていたら……。

「あの、もしかして…」

 それを一人で抱えきれずに恐る恐る口にしたら「止めてよ! 縁起でもないこと言わないで!!」と、沢渡は悲鳴を上げた。けれど冗談とは言えない状況に同じく真っ青になる。泣きそうにもなっている。

「どうしました?」

「何かあった?」

 悲鳴に気付いて集まってきた部内の人間も、話を聞いてもれなく悲鳴を上げて真っ青になった。
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