経営企画部の彼が半年間、彼女に連絡できなかった理由│Quiet Strength×Soft Strength2
「この先のことは私も詳しくない。分かる者に預けるとする。上野。説明を」

「はい」

 司は末席に座ったまま口を開いた。誰も驚かない。そのまま話を聞いた。

「まず、秋の決算について。決算書の作成は従来通り、経理・財務に任せます。今回は出願と前後のタイミングなので、特許に触れるかは役員決定後の対応になります。決算報告書も従来通り作成の予定です。その後の冬の決算では決算書の数字に沿った報告書を作成します。よって、他部署との調整や情報の整理が今まで以上に必要になります」

 その説明に束の間沈黙が訪れた。それぞれに理解している様な間でもある。やがて一人が小さく手を上げた。

「…特許に関する数字を載せるってこと?」

 竹田の隣で沢渡が口を開く。彼女は経営企画唯一の女性だ。竹田の一つ上の入社五年目である。

「違います」

 その質問に司は小さく首を振って言った。

「特許を技術資料で終わらせません。利益にどう効くかまで数字で追います」
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