よそ見なんてしてません!…たぶん。〜クールな外科医の独占欲が止まりません〜

 ああ。

 私――

 この人のこと、本当に好きなんだな。

 しばらくして。

 田辺さんは腹痛も落ち着いてきて、大きな状態変化もなく、採血結果を確認しながら経過を見ることになった。

 私はナースステーションに戻り、ふぅっと息を吐く。

 よかった。

 大事にはならなさそう。

 「白石」

 「はい?」

 振り返ると、須波先生が立っていた。

 「さっき、ありがとな」

 「え……?」

 「早めに気づいてくれてよかった」

 「……いえ。私は何も」

 「いや。ヘルプなのによく見てるな。お疲れ」

 そう言って、先生は何事もなかったように歩いていく。

 …………。

 やばい。

 嬉しい。

 めちゃくちゃ嬉しい。

 看護師として、須波先生に褒められた。

 口元が勝手に緩んでいく。

 ダメダメ、ここは職場。今はまだ仕事中。

 ニヤニヤするな、私。

 「白石さん、何ニヤけてるんですか?」
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