よそ見なんてしてません!…たぶん。〜クールな外科医の独占欲が止まりません〜

 「うわっ!」

 真横から声がして、思わず仰け反った。

 「和田先生! びっくりさせないでくださいよ」

 「いや、俺ずっとここにいましたけど」

 「え?」

 「白石さんが一人でニヤニヤしてただけです」

 「…………」

 見られてた。

 恥ずかしい。

 「でも、嬉しいっすよね、須波先生に褒められるの。いいなー」

 和田先生はそう言って、片手を口元に添える。

 …………。

 出た。

 さっき私の視線を奪った、前腕。

 いやいや。

 見るな。

 私はさっき、改めて須波先生本人が好きだと自覚したところなんだから。

 だから――

 「白石さん」

 「はい?」

 「やっぱり俺の腕、見てますよね?」

 「っ!」

 バッと顔を上げる。

 和田先生がニヤニヤしていた。

 「み、見てませんよ」

 「いや、見てましたね」

 「見てません」

 「さっきもめっちゃ見てましたよね?」

 「いや……気のせいじゃないですか?」

 「もしかして」

 和田先生が、自分の腕を私の前に出す。

 「腕フェチ?」

 …………。

 バレた。

 出会ってその日にバレた。歴代最速。

 「………違います」

 「その間で確定じゃないですか」

 「………」

 和田先生は、もう確信し切った顔をしている。

 「じゃあ、俺の腕どうです?」
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