よそ見なんてしてません!…たぶん。〜クールな外科医の独占欲が止まりません〜

 ――慣れてる。

 その言葉に、昼間の会話が蘇った。

 『遊び慣れてる男って、余裕あるもんね』

 胸の奥が、ツキンと痛む。

 …………。

 モヤモヤして喉元で言葉が詰まる。

 「白石」

 「……はい?」

 「今日、何時に終わる?」

 「えっと……五時半くらいだと思います」

 「終わったら連絡して」

 「え?」

 「迎え行くから」

 「…………」

 ドクン。

 一瞬で、胸が跳ねる。

 それだけ言って、須波先生はまた歩いていく。

 その背中を、私はじっと見つめた。

 …………迎えに来てくれるんだ。

 嬉しい。

 すごく、嬉しい。

 今日だって、仕事をしている先生を見て、須波先生自身を、やっぱり好きだと思った。

 なのに――。

 『本気の相手なら、もっと慎重にならない?』

 あの言葉が、まだ頭の片隅に残っている。

 好きって言ってくれた。

 付き合ってって言ってくれた。

 迎えにだって来てくれる。

 だから、大丈夫。

 大丈夫だよね……。
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