よそ見なんてしてません!…たぶん。〜クールな外科医の独占欲が止まりません〜

須波side.



 『………87点』

 さっきから、白石が口にしたその数字が妙に頭に残っている。

 くだらない。

 たかが腕の点数。

 白石が前腕フェチなのは知っているし、今さら他の男の腕を見たくらいでどうこう思うことでもない。

 そもそも、あいつが見ていたのは和田じゃない。

 腕だ。

 …………。

 「87点か」

 思わず口から漏れた言葉に、自分で呆れる。

 結構、高ぇじゃねーか。

 和田が87点なら、俺の腕は何点なんだ。

 ……って。

 何考えてんだ、俺。

 そんなこと、どうでもいい。

 自分にそう言い聞かせながら、電子カルテの画面に視線を戻した。

 『先生、嫉妬してます?』

 さっきの白石の声が蘇る。

 少し期待するように俺を見上げていた顔も。

 『してない』

 …………嘘だ。

 白石が和田の腕を見ていた時から、ずっと面白くない。

 あいつが嬉しそうに白石に腕を見せているのも。

 白石がそれをまじまじと見ているのも。

 挙句の果てには、87点。

 「…………」
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