よそ見なんてしてません!…たぶん。〜クールな外科医の独占欲が止まりません〜

 「白石」

 顔を上げる。

 「慣れてないとは言わない」

 ドクン。

 胸の辺りをモヤが包む。

 「付き合ったこともあるし、キスだってお前が初めてじゃない」

 「……はい」

 わかってる。そんなこと。

 でも実際に聞くと、胸がチクチク痛む。

 先生が私を見る。

 「でも」

 私の手に、先生の手が重なった。

 「女のことで、こんなに余裕なくなったのは、お前が初めて」

 「…………」

 「他の男の腕見てるだけでイラついて」

 指が絡む。

 「87点とかいう、どうでもいい数字が頭から離れなくなって」

 「…………」

 「挙句、俺の腕は何点なんだとか考えてる」

 思わず吹き出した。

 「ふふっ」

 「笑うな」

 「だって……先生が?」

 「お前のせいだろ」

 先生の手に少し力が入る。

 「俺だって自分で引いてる」

 「…………」

 「こんなに誰かを自分だけのものにしたいって思ったの、初めてだから」

 胸が、ぎゅっと締めつけられた。

 嬉しい。

 嬉しくて。

 泣きそうなくらい。

 「……じゃあ」

 「ん?」

 「遊びじゃない?」

 先生の眉間に皺が寄った。

 「当たり前だろ」 

 次の瞬間。

 グイッと腕を引かれた。

 「きゃっ」

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