弁護士さん、恋愛の仕方がわかりません
「明日から終業後…10分お時間をいただけますか?」
「……10分」
「ええ。こうやって田中さんと話がしたいのです」

乱れた前髪の間から真剣な目が覗く。

そんな風に言われたら…なかなか断ることも出来ない。

変な人だけど、根は真面目すぎるくらい真面目で、とても賢いはずなのに馬鹿で。
友達、と考えると面白い人なのかもしれない。

それに、こういうタイプの人は嫌いじゃない。
私のお節介レーダーがビンビンに働いてしまう…!

「いいですよ、話しましょう」
「!ありがとうございます」

高嶺さんの表情はさして変わらない。
でも、周りの空気が一気にやわらかくなる。

「10分まであと3分ほど残っていますが…何か話しますか?」

私が腕時計を見てそう言うと、高嶺さんもスマートウォッチを見て「正確には3分16秒です」なんて言ってくる。

「田中さん、下のお名前は?」

こんなところから始まる。
私と高嶺さんの『友達関係』。

よく考えてみたらおかしくって、私は小さく吹き出して答えた。

「みよ…田中みよです。よろしくお願いします」
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