墨入り男子は溺愛上手。
4
校門の前には氷瀬くんがいた
気、気まずいっ
「モテるんだね。錦さん」
目は見えないけれど、無表情みたい
やっぱ、不気味だなぁ
「見てたのっ?」
「…」
「なんで、断ったの?」
私が問うたはずなのに、質問返しされた
だけど、その言葉は私の心に響き渡る
なんで?
そんなの決まってる
「私、には。愛される資格なんて、ないから」
あれ?
言うつもり、なかったのになぁ
涙が出そうで、必至には言い訳を考える
引かせちゃったな。
「なんてね!私には、みやっていう
親友がいるから「嘘。」
「苦しそうだよ、錦さん」
なんで分かるの
泣くことなんて許されない。
泣いちゃだめ。
泣いちゃだめな、はず、なのに
分かってくれた、気がして。
「苦じぃ、よぉ、、、、。」
校門で泣くヤバい奴になりたくないのに。
涙腺を超えてくる。
あ、やばい。
思った時には、走り出していた。
氷瀬くんから逃げるように。
過去の、自身自身から、逃げるように。
ごめんなさい、ごめんなさいっ
そんな事を想いながら走った、
駅までの時間は。
とても長かった。