S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる
説き伏せるような声音に、襟足を優しく撫でる指の動きが重なる。
すると今度は上から下へ向かって甘い電流が走り抜ける。首から背中、腰まで波及した甘やかな痺れが、下腹部の奥をじわりと疼かせる。
「真面目に仕事に励んで、着実に成果と実績を重ねて、予定より一年も早く役員に就いて……面倒なルールだって変えた」
紗夜の表情を確認しながら、瞳をじっと覗き込みながら、首の後ろをゆるく撫でながら、静かに想いを重ねられる。
以前、和季本人から『運や状況にもよるが、順調に行けばおそらく三十歳で役員に就くことになる』という話は聞いていた。
だが実際の和季は予定よりも早い、二十九歳で今のポストに就任した。
和季の事情を知っている紗夜だからこそ、彼がこの二年で相当な努力を重ねてきたことは想像できていた。
しかしなにが彼の原動力となっていたのかまでは、気づけていなかった。
「俺が、なんのために社則を変えたと思ってる」
「……え?」
「他の男に渡すためじゃない。今度こそ、堂々と俺のものにするためだ」
「! っ……じょ、常務……っ」
それまでは諭すような視線ばかり向けてきていた和季の瞳に、突然、獰猛な光が宿る。
紗夜の首を撫でていた手が急に後頭部へ上がり、動きを制限するように指先に力を込められる。
「ん……っぅ……」
顔を傾けた和季が噛みつくように唇を重ねてくる。身を引く間もなく下唇を食まれ、その感触に驚いて少し口が開いた拍子に舌も挿し入れられて、絡み合った舌をじゅる、と強く吸い上げられる。