S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる
「ん……ぁ……ゃん……っ」
ちくりと鋭い痛みを感じたあと、今度はそこをぺろりと舐められる。
生温かくやわらかい舌が肌に触れるとぞくぞくと背中が震えたが、意外にも今回の和季はすぐに紗夜を解放してくれた。しかし。
「他の男の痕つけて、デートになんか行けないだろ?」
「……? ……え?」
顔を上げて親指で自身の濡れた唇を拭った和季が、口角を上げてにやりと微笑む。
その笑顔を見て、ようやく首に噛みつかれた理由を察する。
色香を纏った微笑みに色んな意味で衝撃を受けて固まっていると、和季が先ほどよりももう一段低い声を発した。
「断れよ」
「!」
どんなときも紗夜の意思を尊重してくれていた、以前の優しい和季からは想像もできない。
強制的に従わせるような鋭い視線と命令の台詞には、普通なら反発して『嫌です』と断りたくなるところ。
「じゃなきゃ、このままここで抱く」
「!?」
とんでもないことを口にしながら自身のネクタイの結び目に指をかけた和季に、慌てて首と手を振る。
「わ、わかりました……!」
職場で、なんて絶対にありえないのに、紗夜の知らない苛烈さでこのあとの予定を全力阻止してくる今の和季なら、本当にこの部屋で服を脱がされて、身体の隅々に触れられて、そのまま乱されて……と破廉恥な行為に手を染めそうだ。
「断りますっ! お断りの連絡、しますから……っ」
「……わかった」