S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる

「その代わり、今夜、俺の部屋に来てほしい」
「!?」

 思いがけない和季の提案に目を見開いて固まる。引くどころか一切悪びれてない様子に唖然としてしまう。

 だが和季は紗夜の反応を目の当たりにしても、にやりと楽しげに微笑むばかり。

「そのままじゃ、身体……疼くだろ?」
「!」

 す、と手を伸べた和季の指先が、紗夜のお腹に触れてくる。その指がつつつ、と下へ降りて臍の真下で止まると、和季がなにかを企んでいるかのように表情をゆるめる。

「この前も、最後まではしなかったもんな」

 和季の一言で身体の奥がずくりと疼く。理解するつもりなんて微塵もなかったのに、最後まで、の意味を察してしまう。

「それとも、あのあと一人でシた?」
「!? す、するわけないじゃないですか……っ!」

 とんでもないことを平然と聞いてくるデリカシーのなさに羞恥と呆れを感じて、叫ぶように否定する。

 しかし紗夜の反論を耳にしても、和季は楽しそうに微笑むばかり。

「そうか……紗夜『は』しなかったのか」
「!?」

 先ほどと同じく、ある一箇所だけをやけに強調する言い方のせいで、彼が言わんとしていることをまたも察してしまう。

< 114 / 304 >

この作品をシェア

pagetop