S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる

 御曹司である和季ならば、世界的有名ブランドのチョコレートは食べ飽きるほど食べていると思い、最近都内で流行し始めた新進気鋭のチョコレートショップのボンボンショコラ詰め合わせを選んだ。

 濃茶色の紙袋から小さな箱を取り出して包みを開いた和季が、二段五列に並んだ十個のチョコレートを眺めて、「お、美味そう」と表情を綻ばせる。紗夜も好きだが、和季もチョコレートが好きらしい。

「ん? なんだこれ」

 チョコレートを食べるために紙袋を横に避けようとしていた和季が、ふとその中に入っていたもう一つの小さな袋に気がついた。

 和季が紙袋の中に手を入れてそれを取り出したことで、買った紗夜もうっかり忘れかけていた存在を思い出す。

「えっと、チョコを購入するときに見つけて、一緒に買ったんです」

 和季の手の中にあるビニールフィルムの中には、首に黄色いリボンをつけた、小さなテディベアのチャームが入っていた。

 どうやらこのテディベアは、くだんのチョコレートショップのマスコットキャラクターらしい。

 最初に見たときはそうと知らなかった紗夜だが、チョコを購入するときに会計台の横にこのテディベアがたくさん並んでいるのを見つけ、気がついたらつい手を伸ばしていた。

「七色あったんですけど、やっぱり和季さんは、黄色がいいかなって」

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