S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる

「俺のこれまでの努力と祈願もこもってるからな、ご利益あるぞ。どうしてもわからない問題が出たら、これ転がしておけばなんとなる」
「……ふふ」

 和季の自信満々な様子が無性におかしくて、くすくすと笑ってしまう。そんな紗夜の表情を眺めた和季も、嬉しそうににこにこと笑ってくれた。

 紗夜を労って励ましてくれる和季になんとなくくすぐったい空気を味わいながら、ふと視線を下げる。

 すると和季が部屋から持ってきたネイビーブルーの布製ペンケース、そしてそのファスナーの金具につけられていたチャームが目に入った。

「! それ……」
「……ん?」

 思わず驚きの声を発してしまうと、紗夜の声と視線に気づいた和季も自分の手元を見下ろす。

 ペンケースにつけられていたのは、首に黄色いリボンを巻いた可愛らしいテディベアのチャームだった。

 ――二年前のバレンタインに、紗夜がチョコレートと一緒に和季へプレゼントしたものである。

 そのテディベアのチャームを指先でそっと撫でた和季が、「ああ」と頷いてにやりと微笑んだ。

 紗夜の心の内を探るような視線を向けられ、またドキリと緊張して言葉に詰まってしまう。

「す、捨てずに持ってたんですね……」

 和季に見つめられる恥ずかしさを誤魔化すように呟くと、それを聞いた和季が少し呆れたようにため息を零した。

「紗夜が俺のために選んでくれたものを、捨てるわけないだろ」

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