S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる

3トンの衝撃


 いつもと同じく莉乃とともに昼食を食べた紗夜は、今回も運よく陽太に遭遇できれば……と小さな期待感を抱いてしていた。

 しかし陽太も忙しいのか、今日はオープンラウンジ内に彼の姿を見つけることができなかった。

 仕方がないので経理部に戻り、自分の席からメッセージを送ることにする。

 本当は、昨晩のうちに断りの連絡を入れてしまいたかった。

 けれど陽太は取引先の人と会食の予定だと言っていたし、残業だった紗夜が帰宅したのも夜の十時を過ぎていたので、結局昨日は連絡しない、という結論に落ち着いた。

 そして残業が続くと起床がぎりぎりになり朝もバタバタしてしまうので、もちろん今朝連絡をすることもできなかった。

 だがいつまでも放置し続けるわけにはいかないだろう。忙しいからと連絡を先送りにしていたせいで『気がつけば当日になっていた』なんて状況になるのは絶対に避けたい。

(なんて断ればいいんだろう……)

 頭の中で、おでかけと交際申し込みに対する断りの文章を練ろうとする。だがあいにく異性からデートに誘われる機会も、当然、交際を申し込まれることもほとんどない。よってこういうときのスマートな返信方法がわからない。

 数少ない同期である陽太と関係がこじれたり、気まずくなったりしたいわけではない。

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