S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる

「なんか今日、いつもと印象違うな?」
「あ、その……で、デートなので……」
「へえ、おしゃれしてくれたのか」
「はい……」
「似合ってるよ、可愛い」
「ありがとうございます」

 少しでも和季に可愛いと思ってもらいたくて、朝から慣れないおしゃれを頑張った。だからこそ和季に褒めてもらえると嬉しくなるし、照れくさい気持ちも芽生えて、胸の奥までむずむずとくすぐったくなる。

 そんな照れと恥ずかしさをさりげなく誤魔化すように、先ほど目にした女性にそろりと話題を変えた。

「綺麗な方でしたね」
「ん?」
「さっき、一緒にいた人……」
「あ、ああ……見てたのか」

 紗夜の問いかけに和季が少し驚いたように目を見開き、なぜか一瞬気まずそうな表情を浮かべる。

 その顔を見上げた紗夜が首を傾げると、和季が頬を掻きながら「あー……」と困ったような声を漏らした。

「高校のときの同級生なんだ」
「へえぇ……そうなんですね!」

 なるほど、通りで気心の知れた関係に見えるわけだ。和季と同い年ということなら、大人っぽく感じるのも当然かもしれない。

 ふむふむ、と納得しかけた紗夜だったが、ふと和季が呟いた『もう身内みたいなもんだろ』という台詞を思い出す。

 高校時代の同級生が、身内みたいなもの、というのは、どういう意味なのだろう……?

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