S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる

 ◆◇◆


 翌日から和季の態度がわかりやすく変化した。

 そもそも交際をはじめて以降、夜になると電話がかかってきたりメッセージが送られてきたりと、毎日のように和季からのプライベートな連絡があった。だが昨晩はそれがなく、紗夜のモヤモヤと不安はさらに大きく膨らんでいた。

 とはいえ自分から連絡してもどのように話を切り出せばいいのかわからず、結局、本郷との会話の意味を訊ねられないまま、次の日を迎えてしまった。

 しかし火曜日の朝からなぜか突然、紗夜に仕事を任せたまま和季が席を外すことが多くなった。

 もちろん和季の指示がなくても大抵の仕事は一人でこなせるようになっていたし、わからないことがあれば他の同僚や先輩、上司を頼ることもできるので、それ自体にさほど不都合はない。

 だが和季の多忙に伴い会話量が激減した挙句、ようやく話せるタイミングが訪れたと思ったら、なぜか和季の態度がよそよそしい。

 今後の仕事の進め方について質問すると、なぜか上の空で曖昧な回答をされる。紗夜と目が合うと後ろめたさを感じているように、不自然に視線を逸らされる。たまに二人きりになるとなにか言いたそうに口を開くのに、結局は『なんでもない』と言葉を濁される。

< 234 / 304 >

この作品をシェア

pagetop