S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる
紗夜がソファからがばっと立ち上がると、和季も後を追うように立ち上がる。
それを気にせずリビングを出ようとした紗夜の腕は、伸びてきた和季の手にぐいっと掴まえられた。
「三年――いや、二年だ」
「……え?」
「俺は二年で、必ずあの面倒なルールを変える」
「!」
振り返りざまに告げられた内容に驚いて、再び目を見開く。思いもよらない宣言に言葉を失ってしまう。
だが何年、何十年と続いてきた鉄の掟を、今はまだ一般社員でしかない和季がたったの二年で変えるなんて、不可能に近い。
ならばこれは紗夜の心を繋ぎ止めておくための甘言なのだろう。
そう考えてしまう紗夜を叱るように、和季が腕を握る手に力を込める。反対の手を腰に回され、そのまま強く抱きしめられる。
「紗夜がどうしても、と言うなら、今は離してやる。けど全部を受け入れたわけじゃない。紗夜に嫌われたくないから、仕方なく妥協するだけ……わかるだろ?」
「……っ」
「だから紗夜。俺が迎えに行くまで、恋人なんて作らないでほしい」
和季の予想外の要求に固まったまま動けなくなっていると、和季が耳元に唇を寄せてくる。
「他の男が紗夜に触れるのも、紗夜が他の男の名前を呼ぶのも、許せる気がしない。紗夜が他の誰かと付き合うなんて、想像するだけで頭がおかしくなりそうなんだ」
「……」