S系策士に豹変した元恋人御曹司の独占愛が甘すぎる

 紗夜がもう逃げないこと、以前のように疑問や不安を素直に伝え合える恋人同士に戻れたことが嬉しい、と全身で表現するかのようだ。

 にこりと笑った和季が紗夜の髪や頬を撫でながら、そこに優しいキスをくれる。

「ふぁ……っ」

 頬に触れていた和季の唇が、今度は首筋に押し当てられる。すると濡れた唇に誘われるように、紗夜の喉からも甘えて縋るような声が零れる。

「ん……んぅ……」
「……可愛いな、紗夜は」

 和季の指の温度が肌に馴染むように心地よくて、キスも愛撫も素直に受け入れてしまう。

 それに頭を撫でる手と反対の手が、シャツの裾からゆっくりと中へ侵入してくることも。

 紗夜が身に着けているのは、お風呂上がりに和季から借りた、彼の白いTシャツだ。

 身長も体型も標準かつ平均的な紗夜に対し、和季は身長が高く身体も大きい。そのせいか彼の衣服を身に着けると、どうしても丈と幅が余ってブカブカになってしまう。

 ゆえに裾から手を入れられるとすぐに指と素肌が触れ合ってしまうし、脱がされるときもあっという間だ。

「か、かずき、さん……」
「ん?」

 和季にシャツと下着をするんと剥ぎ取られると、すぐに彼の眼前に裸体を晒すことになる。

 これまで何度も身体を見られている紗夜だが、それでもやはり、恥ずかしくて照れくさくて心許ない。

「は、はずかしい……です」

 羞恥を訴えるように率直な気持ちを伝えるが、表情をゆるめた和季は紗夜の主張をさらりと受け流してしまう。
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